簡単じゃない、だけど会話や触れ合いが楽しい職場【有限会社こばやしさんち】
2023年4月10日公開
体を動かす作業や、人と話すことが好きな荒さん。持ち前の明るい性格で利用者様に楽しい時間を提供しています。入社から10カ月、介護福祉士の資格取得を目指し、介護のスキルを日々磨いています。
介護スタッフ/荒 彩さん(33歳)
旭川市出身。昨年6月に入社。休日の度に家族で出掛けることが多く、この冬ワカサギ釣りにはまる。
前職のペットショップではお互い幸せになれるよう意識
シゴトガイドの求人募集に目が留まり、高校卒業後ペットショップで働き始めた荒さん。販売の接客をはじめケージの清掃や子犬の世話などが主な業務でした。「命に関わるため動物たちの体調管理は非常に重要です。食欲や便の状態、普段の様子は日々チェックしていました」。ひとたび感染症になると他の犬にもうつってしまう可能性もあり、自身も衛生面に気を付け消毒を欠かさなかったと言います。
販売時の接客ではお客様の家族構成やライフスタイルなどを確認した上で、それぞれの家庭環境に合った一頭を勧めていました。「健康であればこの先十数年一緒に暮らすわけですから、お互い幸せになれるよう犬の性格や特性も考えてアドバイスをしていました」。購入後に「こんなに大きくなったよ」「お姉さんから買って良かった、ありがとう」とお店を訪れてもらえることがうれしく、荒さんのやりがいになっていました。
やがて結婚を機に退職し2人のお子さんを出産。食品製造工場での勤務を経て再びペットショップに勤め4年の月日が流れます。当時は小動物などの世話を新たに担当し、病気や障がいのある動物を看病したり引き取ったりすることが増えていました。より強く命について意識する中で、荒さんは別の仕事を探すことにします。そんな折、知人から紹介されたのが現在の職場でした。
普段の様子をよく見て日常生活をサポート
有限会社 こばやしさんちでは、デイサービスセンター、訪問看護、グループホーム、有料老人ホーム、小規模多機能型居宅介護を運営しています。荒さんはその中でデイサービスセンターや有料老人ホームで体操やレクリエーション、トイレ誘導に食事介助、清掃などを行っています。業務を行う際、大事にしているのはしっかりとコミュニケーションを取ること。利用者様に日々楽しく過ごしていただくためにも、「大きな声ではっきりと、目を見て話すことで分かりやすく伝わるように気を付けています」。普段から利用者様一人ひとりをよく見ることが重要で、顔色や声の出し方、動作など違和感があれば「どうしたの、足痛いの」、「いつから」と確認。病気であれば訪問看護の看護師に伝えて対処してもらいます。症状が軽いうちに、早い段階で気付くことが大切なのだそうです。
また、接する時に意識しているのが「見守る姿勢」です。何をするにも手助けしてしまうと、これまでできていたことができなくなるなど能力が低下することもあります。あくまで利用者様のサポートをするだけで、後は自主性に任せて部屋の清掃やシーツ交換といった手伝いをしているそうです。
こまめに声掛けを行い良好な関係を築く
利用者様相手だけでなく、職員同士のコミュニケーションも業務を円滑に進めるうえで欠かせません。「例えばシーツ交換が終わったか確認したり、トイレ誘導の場合は、『前のトイレから時間が経っているから、そろそろ連れて行った方がいいよね』とお互いに声を掛け合っています」。注意事項は朝のミーティングで全員に伝えられるので、メモを取りみんなで気を付けながらフォローし合います。また、何よりやって当たり前に思えることでも「ありがとう」と言い合う職場環境が、働きやすい良好な関係を築けている要因なのかもしれません。
人と話したり体を動かしたりする作業が好きで、楽しみながら働く荒さんが仕事中に心掛けているのは「常に明るく振る舞う」こと。職場のムードメーカーとして、スタッフも利用者様も楽しく過ごせる施設の雰囲気を作っています。すでに職場では欠かせない存在ですが、まだ介護の世界に飛び込んでから一年足らず。今は介護福祉士の資格取得に向けて、先輩のやり方を見て聞いてやってみる日々。疑問点はすぐに質問して解決する自発的な姿勢で成長を続けています。
昼食前の体操を利用者と行う
シーツを交換し、しわなく奇麗にセッティング
食事の介助を行う荒さん
許し、支え合う気持ちが大事
代表取締役/小林和枝さん
当社は多様な働き方ができ、過去には小さいお子さんを連れて働いていたパートスタッフもいました。また、「施設で暮らしている」という空気感を出したくないので制服は作らず、襟の付いた服を制服代わりにしています。常に「頑張らなければいけない」ではなく、「頑張れない時もある」と相手も自分自身も許し、支え合う気持ちを持つと長く続けられると思います。
有限会社こばやしさんち
デイサービスセンター、訪問看護、グループホーム、有料老人ホーム、小規模多機能型居宅介護を運営。障がいも個性ととらえ、その人らしい生活が送れるように人格を尊重して支援する。
北海道旭川市東光16条6丁目3‐10
TEL.0166‐31‐6183
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