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複数の接客業務を経て培った「相手への思い」を製造の現場で生かす【株式会社佐久精肉店】

2023年11月13日公開

私が選んだ職場

ガソリンスタンドや温浴施設、介護施設など人と接する職場で仕事を続けてきた兼平さんは、約20年間の接客業にピリオドを打ち、興味があった工場での製造職に転身しました。経験のない肉のカット業務と向き合い、「使う人」を思って仕事に取り組む日々です。

製造部/兼平 潤さん(39歳)
2022年1月入社。趣味は魚釣り。夏場は川や湖、海へ出掛ける他、仕掛けやルアーなどの道具を休日に自作することも。

人と接して20年。思い切った方向転換へ。

兼平さんは旭川市内の高校を卒業後、内定をもらった会社とうまくいかず、ガソリンスタンドでアルバイトを始めました。6年ほど勤める間に主任にも昇格しましたが、売り上げのノルマがきつく退職。次に選んだのはマッサージの仕事でした。

「母親が病弱だったので、本当は子どものころから医者になりたかったんです。でも私の成績では無理でね」と、施術を通してお客様の体を整える職場を選択。温浴施設に設けられた専用ルームでお客様を迎え、痛いところ、治したいところを伺って的確なサービスを提供していました。「料金は決して安くありませんから、会話を通してお客様が何を求めているのかを探って、一番納得いただけるプランを提案するよう心掛けていました」と当時を振り返ります。

5、6年勤めた後、知人の紹介で特別養護老人ホームへ。介護の仕事を現場で覚えながら合間に利用者さんへマッサージを施す日々はやりがいもありましたが、親しく接してきた人たちが亡くなっていく現実に心が悲鳴を上げ、3年ほどで転職します。「人と接するのがつらくなり、工場で黙々と働きたいと思ったんです。元々そういう仕事にも興味がありましたしね」と兼平さん。あいにく思わしい求人がなく、釣具店での勤務を経て現在の職場と出合うには更に2年の時間が必要でした。

こまめなメモで失敗も糧に経験を積む。

株式会社佐久精肉店は、学校や飲食店、ホテル、医療・福祉系施設などの取引先へニーズに沿った食肉を卸売している会社です。近年は「工房加藤らーめん」を旭川市内に2店舗(神楽店・イオンモール旭川西店)展開するなど外食部門にも力を入れています。同社の求人広告をシゴトガイドで見つけた兼平さんは即座に反応しました。「工場の仕事を探す際、機械系より身近な食品系がいいなと思っていたんです。会社の名前は前から知っていましたし、家から通いやすいのも魅力でした」。

面接時に未経験者でもまったく問題ないことを確認し、昨年1月に入社。先輩の指導の下、機械の使い方や包丁での肉の切り方を教わり、少しずつ作業を覚えていきました。「納める商品ごとに使う肉の部位や厚さ、切り方、量などが異なるので、覚えることが多く大変でしたね」。家庭で使う包丁とは形が違い、持ち方や力の入れ方も変わるため最初は苦戦したといいます。新しい業務に触れるたびに細かくメモを取り、肉質の見極めが甘かったことで返品されてしまった失敗もしっかり記録。同じ過ちを繰り返さない流儀を貫き、仕事の流れをようやくつかめたと実感できたのは3カ月後のことでした。

大事なのは「思う」こと常に相手を見据えて。

業務で心掛けているのは「ただ作業をするだけの人にならないこと」と言います。「例えばトレーに肉を乗せるにしても、並べ方を奇麗にすれば受け取る側の料理に向かう気持ちが、より前向きになります。そうした一つひとつの積み重ねですね」。厚さ2mmで注文が入った肉の場合、チャーシュー用と分かっていれば、薄すぎては使えないと判断し用途に応じた厚さを意識できる、と兼平さん。求められていることを理解し、お客様のために何ができるかを考える姿勢には、長年の接客業務で培った思考回路が生かされているようです。

切りすぎた肉は、フードロスを防ぐ意味を含め新しいタレの味の提案用に使用するなど、製造部門発の加工提案もある企業風土から、最近は製品開発にも興味が出てきました。スーパーで買い物をする時も「こういう味付けは面白いな」「こんな加工の仕方があるのか」と気にしてしまうのだとか。

とはいえ入社して2年足らず、未知の業務はまだまだあります。「担当は病院や施設関係が中心で、扱うのはほぼ冷凍肉です。飲食店で使う牛の良い肉などは経験がないので、いずれ扱えるようになりたいですね」。兼平さんの挑戦は続いていきます。

  • 販売所では人気の「とまとたれジンギスカン」など自社製品を直売

  • 佐久精肉店が市内に展開している「工房加藤らーめん」

  • スライサーを使い、ブロック肉を任意の厚さにしていく

  • スライスした肉をお客様の希望する幅にカットする

  • 真空パックにする際、肉の種類や量によって空気の抜き方を変える必要がある

フードロスへの取り組みが評価につながります

営業部 課長/高森崇志さん

当社は、やればやるだけ評価される会社です。営業であれば取引先の開拓、工場の場合はフードロスを減らすという、結果の数字が給与に反映されます。やりがいがあり、言いたいことを何でも言える社風も働きやすさにつながっていますね。ラーメン店の運営や、開発した商品を直売する販売所運営など取り組みに幅が出てきて、これからが楽しみです。

株式会社佐久精肉店

1984年設立。食肉の卸、加工、販売を手掛け、全国に取引先を持つ。外食部門として「工房加藤らーめん」を経営。

北海道旭川市流通団地3条5丁目3‐2
TEL.0166‐40‐3929
https://www.saku298.com

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