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私が選んだ職場【小規模多機能型ホーム アイケア春光】

2020年6月1日公開

私が選んだ職場

トレードマークの金髪はバンド活動をしていた高校時代からのこだわり。外見のみならず、仕事でも自分のスタイルを貫く井上さんは、周囲から厚い信頼を得ています。原動力は「みんなを楽しませたい」との思いです。

目指すは、利用者の笑顔。伸び伸び働ける環境で持ち前の行動力を発揮中!

通いサービス キャプテン/井上昭仁さん(31歳)
2019年8月入社。初任者研修修了者。18歳のときに結婚し、小学6年生の娘がいる。

ボランティア活動を機に介護職へ。

井上さんは高校卒業後、大手の家具販売会社に就職。既に家庭を持っていたため、教師からの勧めもあり、安定して働ける職場を選びました。ただ社会人になっても、気に入っている髪の色を変えようとはしませんでした。「社長との面談で、『外見を変える気がないなら接客はできないだろう』と言われ、配送担当になりました。配属後は、伝票に基づいて配送ルートを決めるなど、事務所内での業務を受け持つことが多かったです」と井上さん。
そんな中、全社で取り組むボランティア活動の一環として、デイサービスセンターを訪れ、利用者の話し相手や手助けなどを行うように。「当時、職場でよく怒られていたこともあって、利用者さんが褒めてくれたり、感謝してくれたりするのがうれしかったです。髪の色についても偏見なく、『外国人みたい』などと言って面白がってもらえました」。
23歳の時、転勤の話が出たことをきっかけに会社を退職。同時にボランティア活動で興味を持った介護職への挑戦を決意します。転職に当たっては、「不満を持って働くくらいなら、やりたい仕事をしたほうがいい。やってみてダメだったら辞めればいい」という考え方が家庭内で一致していたため、特に支障はありませんでした。

自分の信念を持って仕事に取り組む。

ボランティア先とは別のデイサービスセンターに就職した井上さん。働きながら初任者研修の資格を取得するなど介護職への理解を深めるうち、丁寧に接したり、安全を守ったりするのと同じく、利用者を楽しませるのも重要な仕事だと知りました。「利用者さんに接する時に心掛けたのは、敬語を崩さないことです。目上の方だという理由ももちろんありますが、いつもきちんと話し、真面目にしている分、少しふざけただけで笑ってもらえるんです。笑顔を見ることがやりがいになりました」。
楽しませるための工夫は、それにとどまりませんでした。井上さんは自身の考えで介護予防の体操教室へ出向いて呼び掛けたり、個人宅を訪問したりして、新規の利用者を増やす活動を始めます。「当時、デイサービスセンターには、利用者さん同士の慣れ親しんだ関係が出来上がっていました。でも、もっといろいろな人と交流してほしいと思ったんです。常にどうすれば楽しくできるのかを考えて、行動していました」。
その後、管理者を任されるまでになりましたが、施設の経営不振などにより退職。自宅に近い「小規模多機能型ホームアイケア春光」へ転職しました。

柔軟なシステムを生かしてアイデアを実現。

一人の利用者に対し、「通い(デイサービス)・宿泊(ショートステイ)・訪問」と3つのサービスを提供している同事業所。新しい職場で、まず始めたのは利用者との人間関係づくりです。「資料を見て、一人ひとりの出身地や家族構成などを暗記し、会話のきっかけにしました。また、『訪問』の仕事で利用者さんの部屋に行くと、飾ってある物などから興味や趣味が分かるので、どんな方なのかを知ることができましたね」。
「小規模多機能型」は、その日の状況や、利用者の状態に応じてケアの内容を柔軟に変更できるのが特徴の一つ。このシステムが、アイデア豊富な井上さんの活躍を大いに後押ししました。「通い」のキャプテンに就任すると、リーダーシップを発揮して次から次へと新たな取り組みに着手。天気が良ければ、急きょ、屋内での予定を外出に切り替えたり、交渉して市の移動図書館やスーパーマーケットの移動販売車を事業所に呼んだり。いずれも、自力で出掛けるのが難しくなった利用者を楽しませたいとの思いから考え付いたものです。「上司に提案したうえで、かなり自由にやらせてもらっているので、固定観念を取っ払って、いろいろなことをしていこうと思っています。これからは、建物前でのバーベキューや流しそうめんなど、地域の人と一緒に楽しめるものを考えていきたいですね」。

意外な発想に驚かされてばかり。まさに革命児です。

移動販売車を呼ぶなど井上君の発想には、いつもびっくりさせられています。一人ひとりをよく見ていて、何が必要か考えて行動しているので、利用者さんからの信頼も厚いですね。これまで会ったことのないタイプの職員で、とても貴重な存在です。また、金髪については、利用者さんに覚えてもらいやすく、むしろプラスに働いていると思います。
株式会社アイケア北彩都 統括責任者/滝野 昇さん

  • 利用者に笑顔を向け、常に話しやすい雰囲気をつくっている

  • 各利用者についての課題や解決策などの情報をパソコンで管理

  • 施設内で開いた節分の行事で、鬼の役を演じる井上さん

小規模多機能型ホーム アイケア春光

2012年1月開設。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、行き場を失った要介護者や求職者の受け入れに力を入れている。経営は、株式会社アイケア北彩都(写真)。

旭川市春光6条1丁目6-3
TEL.0166-73-3860
http://icare-g.jp/facility/shunko/