私が選んだ職場【青木建設工業株式会社】
2021年4月26日公開
松坂さんを青木建設工業に誘った友人と髙橋社長、松坂さんの3人は小学生のころから仲の良い友人でした。高校を中退し、一人別の仕事をしていた松坂さんに手が差し伸べられたことで、生きる姿勢が大きく変わっていきました。
毎日が何かの発見。貪欲な姿勢で仕事に打ち込む。
工事部/松坂信吾さん(36歳)
旭川市出身。今冬に大型特殊と建設機械の免許を取得した。ランプ類など車をカスタマイズするのが趣味。
友人からの誘いが仕事との向き合い方を変えるきっかけに。
松坂さんの社会人経験は、高校を中退したところから始まります。短期の派遣業務を繰り返しさまざまな仕事を経験。3日と同じ現場で働いたことはなかったといいます。そんな中で覚えているのは、漁港の現場で携わったカニの水揚げの仕事でした。「船員は皆ロシア人で、言語も当然ロシア語。対してこちらは日本人なので、会話が全然かみ合っていなかったのがおかしくて記憶に残っていますね」。働かず気ままに過ごす期間もあるなど、奔放に過ごしていた松坂さんでしたが、ある時「一緒に働かないか」と誘われます。声を掛けたのは小学校のころからの友人で、誘われた先は何と共通の友人が社長を務めるガス管工事の会社でした。2人は高校卒業後にそろって同社へ就職していたことから松坂さんに声を掛けたといいます。「最初その話を聞いた時は乗り気じゃなかったんです。働いていない期間の長い私がいきなり始めて続けられるほど甘い仕事ではないと思っていました」。しかし松坂さんは次第に友人の熱意に応えたいと働くことを決意。こうして2人から遅れること5年、23歳の春から同社に所属することになりました。
忙しい日々も知識を得ることが楽しさに。
松坂さんはまず、ガスメーターの交換や湯沸かし器、コンロの器具交換といった、屋内の業務からスタートします。当時は都市ガスが天然ガスに切り替わるタイミングで、入社早々に忙しい日々を過ごしました。作業は都市ガスの器具を天然ガス用に交換するもので、一週間単位で決まった区画内をすべて回らねばなりません。旭川では都市ガスを利用する世帯が多く、作業は夜遅くまで続きます。「それでもつらいと思ったことはありませんでしたね。大変な日もありましたが、先輩と仲良く作業できて楽しかったです」と振り返ります。ハードスケジュールが続けば、普通なら少しでも早く作業を終えたいと思うところですが、「早く終わらせることを考えてしまうと作業が雑になってしまいます。ミスも生まれやすく、お客様にも迷惑が掛かりますので、安全かつ確実に、できる限り奇麗に作業するように心掛けていました」と松坂さん。こうして天然ガスへの切り替えに伴う作業は2年間続きました。
これだけ大変な時期だったにもかかわらず、仕事が楽しかったと話す松坂さんに、どんなところに楽しさを見出していたのか尋ねてみました。「当時は全部が全部経験したことのない業務だったので新鮮でした。やればやるだけ吸収できて、すべてが知識になっていくので楽しくやれていたのかなと思います」。
異動しても基本姿勢は変わらず。
屋内の業務に携わって10年が経ったころ、松坂さんは屋外の部署に異動になりました。都市ガスを利用する各家庭や店舗を巡る屋内に対し、屋外では1日同じ現場で作業を行います。変化や違いは大きいと思いきや「配管自体の大きさによる戸惑いはありますが、使いなれた工具を使いますし、構造はそう変わらないです」と松坂さん。重要なのは建物の内外問わず、仕事の段取りなのだそう。「ここが一番心掛けている部分で、誰がやるにせよ段取りを大事にして準備しておけば、スムーズに作業ができます。後輩が段取りを立てられるよう、アドバイスすることもありますよ」。
また、異動が自身の中でターニングポイントになったと話します。「親方の負担を減らすために自分でやれることは自分でやろうと考えるようになりました。責任感が芽生えたことで仕事に対する意識が変化したんだと思います」。資格も取得し、さまざまな知識を得ている松坂さんですが、それでもまだ一人前とは言えないといいます。「自分は常にまだまだだと思っています。自分で一人前になったと思ってしまうとそこで成長が止まるような気がするんです」。14年経った今でも吸収する姿勢をくずさず、仕事に打ち込んでいます。
ショベルカーを用い、地面に埋まるガス管まわりの土を掘り出す。
各家庭のメーター交換を行う。作業には簡易内管施工士などの資格が必要。
メモした配管図を見返す。この図を基に旭川ガスで図面化し、次回以降の作業につなげる。
ライフラインに携われるのがやりがいです。
当社は年齢の近い社員が多く、私の同級生も2人働いていて松坂さんはその一人です。工事系でイメージされがちな語気の荒い職人気質のような人はおらず、新人にはみんなで丁寧に指導していますよ。未経験の方はまず、物を運びながら工事の流れを覚えてもらったり、免許や資格を取ってもらったりしながら、3年程掛けて一人前に育てていく流れです。
代表取締役 社長/髙橋 司さん
青木建設工業株式会社
昭和25年創業。昨年4月より4代目となる現社長が就任。旭川ガスのグループ会社として、地面に埋まった古い管の交換工事といったガス管全般の施工から室内の器具の取付・付替などを行う。
北海道旭川市末広2条15丁目1-17
TEL.0166-58-5523