専門学校を卒業後、20年以上福祉の世界で働いてきた太田さんは、友人で高齢者福祉施設を運営する株式会社魅力の代表から「共生」をテーマにした新たな施設づくりに力を貸してほしいと声を掛けられました。「全国で実践されている福祉の情報を集める中、理想的な取り組みをしているところがありました。いつか同じような施設を作ってみたいと語っていたことを代表は覚えていてくれたみたいです」。
目指したのは、子どもから高齢者まで、同じ屋根の下で過ごすことのできる施設。先駆的な取り組みをする江別市の施設を何度も訪問し、情報を収集しながら準備を進め、2020年2月に小規模多機能ホームと放課後等デイサービスを併設した「地域共生ホーム らしさおむかいさん」を開設。副ホーム長として勤務することになりました。
これまで高齢者福祉が専門だった太田さんにとって、児童福祉は初めての体験。多少の不安はあったものの、実際に子どもたちと関わってみると不安よりも楽しさや喜びの方がずっと大きかったそうです。「落ち着かなかった子がじっと座っていられるようになったり、おむつを使用していた子がトイレを使い始めるなど、子どもたちの成長していく姿を見られるというのが児童福祉の特徴であり、喜びですね」。