工業高校に通い、卒業が迫りながらもやりたいことが決まっていなかった石岡さん。友人の誘いもあって、パック詰めの惣菜を製造する食品工場に就職しました。「製造ラインでの検品作業が主な業務でした。異物の混入がないかしっかりチェックしてミスがないよう心掛けていましたが、単純作業でスピードさえ慣れてしまえば難しくはありませんでした」と当時を振り返ります。
3年目の時サブリーダーに昇格し、スタッフをまとめる立場へ。しかし石岡さんは起用を聞いた瞬間はあまり喜べなかったそう。「年下の自分が年上の方々へ指示を出すことに戸惑いを覚えましたね。当時21歳だった私にはすごいプレッシャーでした」。とはいえ、作業のルールを守らなければ会社の不利益になるため、たとえ年上でも言うべきことははっきり言いつつ、指導の仕方や言い回しに気を付けて業務に臨んでいたといいます。
そんな石岡さんでしたが、入社から6年が経ったころ、知識や技術が身に付き自分を高められる環境に身を置きたいと考え転職を決意。退職後に通った職業訓練所で、設計図を作図するためのコンピューターソフト「CAD」を学び直します。「高校の授業で3D・機械系CADを学んでいましたが、建築系は初めてでしたね。作図は得意だったので十分仕事に生かせると考え、転職先に選んだのが上下水道の工事を行う大建工業株式会社でした」。