おもてなしの心でお迎えして旅の思い出に花を添える【グランパレット函館】

幼いころからキャビンアテンダントになる夢を抱いていた金子さん。英会話の経験を積むために始めたホテルでの業務を通じておもてなしの心を学び、ホテル業界への関心を深めていきます。

キャビンアテンダントを目指していた金子さんは、大学に在学しながら、業務内容に似た点の多いリゾートホテルのレセプションで働くことにしました。「英会話の勉強を兼ね、英語が使える職場で働きたかったんです。コロナ禍で海外に行くのが難しくなり、国内で一番英語を使う機会が多そうな沖縄を選びました」。　

授業で学んだことを実践する場にもなった沖縄生活では、想像していた以上にさまざまなことを学べたそうです。「お客様と接しているうちに、一つでも多く良い思い出を持ち帰ってほしいと思うようになっていきました。自分にできることを考えて行動し、感謝の言葉をいただいた時は本当にうれしかったですね」。

予定していた1年が経ち、更なるステップアップを目指して大阪へと帰郷。その後、現在の会社の社長の元を訪問し、函館で計画中のホテル事業の説明に強く引かれた金子さんは、その場で函館行きを決めました。

現在、グランパレット函館のスタッフリーダーとして働く金子さんの1日は、フロントに立つことからスタート。前日の業務を引き継ぎ、チェックアウト業務を終えて宿泊客を見送ると、他のスタッフと共に客室を清掃。その後も各種メディアによる情報発信や、宿泊商品のプラン作りなど、複数の業務に携わります。「業務数が多くて大変に思われるかもしれませんが適度な気分転換になります。特に清掃業務は無心で黙々と作業に没頭できるので、頭を休ませるためにも欠かせない業務です」。

また、宿泊中のお客様に対しては積極的に会話を心掛けているとのこと。「お客様のほとんどが旅行で来られている方です。少しでも良い思い出を持ち帰っていただきたいと思っているので、こちらから声を掛け、会話の中でお客様が知りたがっている情報を推察して提供しています」。

食に関わる質問を受けることが多く、一人ひとりの好みに合わせた提案ができるようにと日ごろからリサーチを重ね、スタッフ間で情報を共有して備えているそう。さまざまなお客様がいらっしゃるので、声を掛けた時の反応によってその後の対応を調整します。

ホテルが開業して半年。初めて経験する業務も多く、まだまだ戸惑うこともあると話す金子さんですが、迷った時にはスタッフに意見を求めると言います。「自分の考えに固執してしまわないように、スタッフには積極的に意見を聞いています。ただし、スピード感も重要なので、自分である程度軸足を固めた上で意見を聞くとうまく行くことをこの数カ月で学びました」。

そんな金子さんが現在進めているのがSNSを利用した情報の発信。昨年12月にはインフルエンサーマーケティングを本格的に始動しました。手軽で便利なツールである一方、自己満足な情報になりかねない難しさもあるSNSは気疲れも多いとか。「仕事と考えてしまうと負担に感じてしまうので、楽しみつつ、見てくれた人にとってプラスになる情報を発信していきたいですね」。

彼女が見据える今後の課題は、リーダーとして自分がいる期間にどこまでこのホテルを盛り上げられるか。「失敗を恐れず、いろいろなことに挑戦していきたいですね」。笑顔で抱負を語ってくれました。