思わぬケースにも慌てぬように準備を整えてお客様をお迎えする【ホテルパコ 函館】

高校在学中から客室清掃のアルバイトをしていた佐藤さん。憧れのフロント係としてホテル業界に就職し、お客様をお迎えする業務の魅力に気付いていきます。

高校1年生のころからホテルパコ函館の客室清掃スタッフとしてアルバイトをしていた佐藤さんは、大学生になって就職のことを考えるようになりました。「自動車をカスタムするのが趣味で、車関係の業界も検討しましたが、仕事と趣味の境目が分からなくなると思ったんです。スーツを着て、気を引き締めてお客様と接する職場のほうが自分には合っていると結論づけました」。

そこで真っ先に思い浮かんだのが、アルバイト先のフロントに立つ先輩たちの姿でした。スーツ姿で接客するスタッフの立居振る舞いを見てかっこいいと思っていた佐藤さんは、大学を中退してホテルのフロント係として勤務することを決意。上司との面接を経て、その思いをかなえました。「ネクタイを締めて髪をセットすると、一瞬で気持ちが仕事モードに入りますね。フロントはホテルの印象に直結する部署です。そのことを常に意識し、しっかりとした対応でお迎えしています」。

フロント係としての対応は、来館したお客様をカウンターへ誘導することから始まります。初めに予約の有無を確認し、予約済みの場合には、お名前や連絡先などレジストレーションカードへの記入をお願いします。「パソコンで予約情報をチェックする際にも、お客様が書類に視線を移したタイミングを見計らって操作。接客中は失礼のない対応ができているか、お客様の表情を見逃さないように心掛けています」。

記入漏れがないか素早くチェックし、お車でお越しのお客様には駐車場のご案内。朝食付きプランのお客様には朝食会場と営業時間をご案内します。お支払い方法の確認、領収書が必要な場合には宛名に記載する名前を伺うなど、チェックイン時の確認事項は思っていた以上に多くあります。

一連のやり取りを経て、ルームキーを渡せばチェックイン作業は終了。飲食店や観光情報についてお客様からご質問されることもあり、更なる対応が必要になります。「時間帯によってはチェックインが集中し、お客様を待たせてしまうこともありますので、ご案内は分かりやすく簡潔に行うのが基本。スタッフお手製の観光マップを用意し、ご質問に備えています」。

フロント係として勤務を始めて9カ月、佐藤さんは現在、5種類の時間帯で勤務しています。夜勤など、アルバイト時代とは異なる勤務時間にうまく対応できるか多少不安がありましたが、一度経験してみると、意外と早く対応できたそうです。

一方、業務に関しては、思い描いていた通りの対応がなかなかできていないと言います。「マニュアルを頭にたたき込んだつもりでも、お客様の反応はお一人おひとり変わってきます。フロント業務の難しい点ですね」。

試行錯誤を繰り返し、上司にアドバイスを受けながら経験を重ねる佐藤さん。そのかいもあり、「対応が良くて、お部屋も奇麗でくつろげました。また来ますね」とお客様からいただく言葉が、この仕事をしていて良かったと思う瞬間だと言います。そんな佐藤さんの将来の目標は、支配人になること。現在担当している業務を完璧にこなせるようになることが当面の課題なのだとか。「日々勉強です」という力強い口調に、現状に甘んじることのないハングリー精神が感じられました。