自分で考えて動き居心地のよいサービスの提供を目指す【炭火焼肉 泉味亭】
2023年5月29日公開
人と接することに苦手意識を持っていた宮本さん。社会人になるために必要な経験を積みたいと人生初のアルバイトにチャレンジ。頼りになるスタッフへと成長していきます。
ホール係/宮本ななみさん
青森県出身。仕事は頭ではなく経験を通じてコツコツと覚えていくタイプ。「一度ユッケを作ってみたいです」と、最近は厨房業務にも興味を持ち始めた勤務歴2年の大学生。
社交性を養うため思い出の店でアルバイト
大学に通うため、生まれ育った青森を離れて函館で一人暮らしを始めた宮本さんは、人生初のアルバイトをしようと思い立ちました。「昔から、人と接するのが得意ではありませんでした。アルバイトをすることで、見知らぬ人とコミュニケーションを取る力を身に付けられるのではないかと思ったんです」。
早速、職場探しに取り掛かった宮本さんが選んだのは、家族旅行で函館に訪れた際に利用したことのあった「炭火焼肉 泉味亭」でした。「スタッフ全員、どの方の接客も明るくて好感を持ったことを思い出したんです。あの時のお店で働けたらなと思って調べてみると、ちょうど求人広告が出ていたので連絡してみることにしました」。
面接を受けたところ採用が決定。未経験の自分に務まるのかという不安はありましたが、無事にアルバイトデビューを果たすことができました。その後も先輩スタッフたちのサポートを得ながら経験を重ね、受け持つ業務も大幅に増加。1年ほどの時間をかけて、自信を持って接客できるようになったそうです。
基本的な作業に加え居心地のよさを意識
宮本さんが担当する業務は、注文受け、配膳、ドリンク作りなど多岐にわたります。最初はおかみさんと行動を共にしながらどのような業務があるのかを経験することからスタート。お客様が来店したら席に案内し、席に着いたタイミングでおしぼりを出して、初めに飲み物類の注文を聞きます。こうした基礎的なマニュアルはありますが、時にはメニューにないものをリクエストされることもあり、その場の要望にも機転を利かせて対応する店のスタイルが新鮮で驚いたそうです。
また、業務に慣れていくうちに、宮本さん自身もお客様に過ごしやすいと感じてもらえる接客を心掛けていったそうです。「例えば、おしぼりで手を拭いている間にもメニューが見られるように、こちらでメニューを開き、『何になさいますか』と声を掛けながらお客様のほうに向けます。その際、立ったままだと見上げなくてはならないので、座った姿勢で行います」。
料理を運んできた時には威圧的にならないように座って提供。一皿ずつ盛り付けを確認して正面をお客様のほうに向けてお渡しするなど、先輩が給仕する姿を見て覚え、実践することでサービスの質を上げていきました。
失敗を経験として学んでいく
一方、これまでには失敗もありました。「初めてシャンパンを提供した際、ワインの時と同じように栓を開けてしまったんです。お客様が栓を開けて楽しむものであることをその時まで知らず、大失敗でした」。お客様からは笑いながら怒られたそうですが、気を引き締め直すのに十分な一件でした。
こうして、一つひとつの経験を糧にして仕事にも慣れていき、当初の目的だったコミュニケーション力も身に付けることができたという宮本さん。働き始めたころは、怖くて接客対応を避けていた海外からのお客様に対しても、「言葉が通じなくてもパッションで行けるわよ!」と対応するおかみさんの姿を見習って対応できるようになり、かつての自分からは考えられないほど成長したと感謝しているそうです。
「大学は来年3月で卒業です。あと少しだけこちらで働けるので、社会人として必要な経験をできるだけ積んでいきたいですね」。学ぶ姿勢を持ち続ける宮本さんでした。
お客様の到着時間に合わせて炭を準備
本日のお勧めと肉の部位の特徴を説明
正面をお客様に向けて配膳
自分で考えて実行できる職場です
おかみさん
宮本さんは努力家ですね。シャイな性格ですけどどんなことにもチャレンジして、任せられる業務も多くなった頼りになる存在です。マニュアルだけでは各人の良さが消えてしまうので、スタッフにはのびのびと働いてほしいと考えています。基本を踏まえた上でお客様にとって良いと思うことを考えて実行できる職場、そんな環境づくりをしています。
炭火焼肉 泉味亭
熟成肉のおいしさにこだわった黒毛和牛一頭買い枝肉熟成専門店。960時間以上の時間をかけてうまみを追求した松坂牛の味を求め、地元のお客様をはじめ、プロ野球選手など著名人の来店も多い。
北海道函館市鍛治1丁目49-6
TEL.0138-56-5643
https://www.ai-realize.com/