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先輩から教わった技術を駆使して漁師が満足する大漁網を作り上げる【ホクモウ株式会社】

2023年7月10日公開

私が選んだ職場

大好きな船に関わることを基準に進路を決めてきた堀さんは、定置網のリーディングカンパニーに入社。先輩の製網職人に網づくりのイロハを学びながら工場の責任者として成長していきます。

函館営業所 生産部 責任者/堀 優司さん(32歳)
函館市出身。中学時代からサッカーを始め、現在も休日に社会人サッカーを楽しむ。ポジションはキーパーとディフェンス。

営業職から一転。製網職人への道に。

船に関わる仕事に就きたいと思い、水産高校で海洋技術の勉強をしていた堀さんは、進路指導の先生から定置網の仕立てと修繕を行うホクモウ株式会社に就職してはどうかと紹介されました。「話だけでも聞いてみようと面接を受けることにしたんです。もともと遠洋漁業にも興味があり、本社には船舶の建造部門もあったので、この会社を選びました」。

営業部に配属され、上司と共に半月ほどの時間をかけて取引先へのあいさつ回りを行った堀さんは、続いて工場で定置網づくりの勉強を開始。本来であれば、数週間で営業の現場に戻る予定でしたが、人事の都合でしばらく生産を手伝うことになりました。「結局、そこから現在までずっと生産部にいます。最初は右も左も分からない状態から始め、先輩たちに教わりながら網を織っていました。覚えることが多く複雑な作業が多い分、一つの定置網として形にしていく楽しさがありますね」。

その時々で工場内の複数の作業に携わる。

今年の春から工場の責任者となった堀さんが担当する業務は多岐にわたります。工場内では主に定置網をつり下げるための型枠づくりを担当し、本社から届いた資材の管理や、完成した網の配達なども行います。「手の空いている時にはみんなと一緒に網を織ることもあります。仕立て方の指示を出したり、織り上がった網を一つにつないでいく作業など、声が掛かる度に持ち場を離れるので、自分がやりかけた作業がほとんど進まない日も多いですね」。

そんな堀さんが定置網づくりで重視しているのが、お客様の好みに対応すること。同じタイプの定置網でも使う漁師さんによって浮き玉の付け方や位置、網の張り具合の好みが異なります。過去に作った網を参考にしたり、打ち合わせ時に細かい点まで聞き取って図面に書き込んでいくそうです。「お客様の中では、注文した時点で網が完成しています。過去には納品してすぐに『思っていたものと違う』と突き返され、急いで修正したこともありました」。

積極的に技術を学び一人前の責任者を目指す。

厳しいお客様が多い分、納めた網が高く評価された時には喜びも倍増するそうです。「納品して初年度の漁獲量が上がったと営業の担当者から聞いた時はうれしいですね。お客様から直接『大漁網だ』と褒められることもあり、気持ちも高まり励みになります」。

入社して14年、これまでにもいろいろな種類の網を作ってきた堀さんですが、本州で使うホタルイカ用の網や、大謀網(だいぼうあみ)の「たまり」と呼ばれる目の細かい部位など、まだ仕立てたことのないタイプの網もあるとか。いつか挑戦してみたいと言いつつも、当面は工場の責任者としてしっかりと立ち回れるようになるのが目標だと言います。「責任者になったばかりで、まだまだ至らないところばかりです。今はまだベテランの方に聞きながら進めることもあるので、誰の手も借りずに定置網を丸ごと一つ作れるレベルに成長したいですね」。そのために必要な要素が「経験する」こと。実際にやらないと覚えられないことが多いため、経験の少ない作業に入る際には、自分にやらせて欲しいと名乗りを上げるそうです。「積極的にいかないと進歩しませんからね」。現状に満足することなくさらに上を目指す堀さんの視線の先には、漁師さんの顔と風にはためく大漁旗が見えているのでしょう。

  • 作業中のスタッフに仕立ての指示を出す

  • 定置網の土台となる型枠を作る

  • 網針(あばり)を使って網と網を結び合わせる

教わりながら一つひとつの作業を進めていく

織り方や縛り方の種類が網の部位によって変わってきます。すべてを覚えるには数年かかるでしょう。私も3年くらい経ったころから分かってきました。もっとも、作業はその都度「今回はこうやって」と先輩が教えてくれます。入社して間もない人でもみんなと一緒に作業していますし、周りの人に聞きながら作業できるので気も楽ですよ。

ホクモウ株式会社 函館営業所

定置網の製造販売の他、漁場の運営管理のアドバイスや、定置漁船の建造など、全国展開するホクモウ株式会社の函館営業所として1949年に開設。本州の網とは仕様が異なるサケ定置網の製造拠点として北海道の定置網漁業を支える。

北海道函館市赤坂町9-1
TEL.0138-58-1305
https://www.hokumo.net

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