製品ごとにスタッフを割り振って効率良く生産予定を達成させる【北海道新進アグリフーズ株式会社】

母親に紹介された食品加工会社に転職した佐々木さん。慣れない業務に出鼻をくじかれますが、周囲の助けを得ながら徐々に対応。同時に仕事の楽しさにも気付いていきます。

パンの製造工場で働きながら転職を考えていた佐々木さんは、母親から自身がパート社員として勤務する北海道新進アグリフーズで働いてみないかと声を掛けられました。「母にはジャガイモの芽を取り除く仕事がメインだと聞きました。『時間もあっという間に過ぎるし、面白いよ』と言われ、それならばやってみようと思い面接を受けてみました」。

パート社員として働き始めた初日、先輩スタッフに教わりながらジャガイモの芽取りを行ったところ、佐々木さんは乗り物酔いに似た感覚を覚えたそうです。「皮のむかれたジャガイモがベルトコンベヤーで流れてくるんですけど、その動きをじっと見過ぎたため酔ってしまったんです。割とよくあるケースらしく、すぐに周りの皆さんが『一息入れなさい』と気遣ってくれました」。

その後、作業する手元に集中するとベルトコンベヤーの動きが気にならないことが分かり、症状も解消。先輩たちと一緒に長時間現場に立っていられるようになりました。

環境にも慣れ、これで母親の言う「面白さ」を味わうことができると思った佐々木さんでしたが、すぐには面白いと感じなかったと言います。「ベテランの先輩たちのように数をこなすことができず、悔しい思いのほうが強かったですね。ただ、次第に作業スピードも上がり、処理できる量が増えるにつれて楽しくなっていきました」。1分間で何個のジャガイモを処理できるか、ゲーム感覚で挑戦することでモチベーションもアップし、勤務時間も短く感じるようになったそうです。

また、同じ加工場内ではニンジンを処理する生産ラインがあり、そちらのオペレーションにも関わっていきました。「上司の指示を受けて、生産ラインに人を振り分けます。必要な生産量に対し、人と時間を節約しながら高い品質の製品を作らなくてはならない業務ですが、難しい分やりがいを感じましたね」。

新たな業務にも徐々に慣れ、対応できる業務が増えていった佐々木さんは、程なく準社員に昇格。これまで以上に意欲的に仕事と向き合うようになっていきました。

入社して8年目、新たに導入した機械の担当に登用されるなど、受け持つ業務の増えた佐々木さんは、ただ今正社員として活躍中です。「正社員になるなんて入社当時は考えもしなかったので、少なからずためらいはありました。ただ、正社員試験を受けないで断るよりは、試験の結果を受け入れたほうがいいと思って挑戦してみました」。

生産する製品ごとにスタッフの配置を入れ替え、空いた時間には芽取り作業にも加わるなど、縦横無尽の活躍を見せる佐々木さん。忙しいながらも、その日の生産予定を一つずつクリアしていくことに強い達成感を感じると言います。そんな彼女が常に気を付けているのが従業員への言葉遣い。実習生以外、従業員のほとんどが年齢も経験も自分よりずっと上。配置入れ替えの指示を出す時には「あちらでお願いします」などと、丁寧な言葉を意識して使っているそう。「皆さんの力を借りながら新しい機械の作業方法を確立し、効率と同時に規格外の製品や廃棄をゼロにするための仕組みも考えていきたいです」と、今後の課題を語ります。その表情は、どこか楽しそうにも見えました。