要望を伺ってお客様に合った商品を提供する【ロシア・東欧雑貨直輸入店 チャイカ】
2023年10月16日公開
母親の雑貨店で10年ぶりに仕事に復帰した秋谷さん。お客様と関わりながら接客の勘を取り戻し、絵付けという次のステップも意識しながら日々の業務に取り組みます。
販売スタッフ/秋谷 薫さん
函館市出身。転勤族+子育てで、10年ほど仕事から遠ざかっていた二児の母。ジャムを舐めながら紅茶を飲むのがロシアンティーの作法であることを現職場で初めて知る。
融通が利く身内の店で仕事に復帰
接客業が好きで、アパレルや居酒屋の店員として勤務経験を重ねてきた秋谷さんは1年前、母親がオーナーを務める雑貨店「チャイカ」でアルバイトスタッフとして働くことになりました。「コロナ禍での変則営業が明け、スタッフを募集し始めたタイミングでオーナーから声を掛けられました。ちょうど下の娘が幼稚園に通い始め、自分の時間が持てたこともあり手伝おうと決心しました」。
専業主婦としておよそ10年間仕事から遠ざかっていた秋谷さんにとって、身内が経営する店という環境は社会復帰の場として好都合だったそうです。幼稚園のお迎え時間に合わせて勤務時間を調整できたり、仕事が終わるまで娘さんをスタッフルームに滞在させていられるなど、メリットも多いと言います。「休日に勤務する時には二人の娘を一緒に連れてくることが多いですね。お店のお手伝いもしてくれますし、目が届くところにいるので安心して働けます」。
オーナーの接客を参考に商品知識を蓄積
出勤するのは営業開始のおよそ30分前。床にモップをかけ、商品棚のほこりを払ってディスプレーを整え開店準備を進めます。「ガラスや陶器などの割れ物を扱う時には多少緊張しますね。開店時間が迫っていても慌てずに、両手でしっかりと持って作業します。その後、喫茶コーナーで使用するお湯が沸けばオープンです」。
これまでにも接客業の経験があった秋谷さんでしたが、東欧雑貨や紅茶を扱うのはこの職場が初めて。お客様の中には知識の豊富な方もいて、問い合わせにしっかりと答えられるように商品の詳細を覚えるのが大変だったそうです。「人気商品のマトリョーシカは、思っていた以上に収集家が多いですね。職人が作ったのか、工房で大量に作られたものなのかを尋ねられるなど、想定外の質問にドキッとすることもあります」。
また、主力商品の一つである紅茶はフレーバーだけでも20種類以上あり、選ぶのに迷ったお客様からアドバイスを求められることもしばしば。好みを伺ってイメージに近いものを選び、飲み慣れていない方にはフレーバーのついていない茶葉をご案内します。
こうした商品知識は実際に試飲を繰り返したり、オーナーがお客様に説明している様子を見ながら覚えていったとのこと。資料を丸暗記するよりも、実際の会話で交わされる内容の方がお客様の反応も分かるので覚えやすいと言います。
会話のきっかけを作りお客様の要望を聞き出す
お客様に満足していただくため、会話は欠かせない要素の一つ。勤務中は話し掛けやすい雰囲気づくりを意識し、探しものをしている方がいれば「何かお探しですか」と、会話のきっかけを作るそうです。「会話が重要な一方、お客様の中には話し掛けられるのが苦手な方もいます。ひと声掛けた時の反応を見て、会話を続けるか判断します。しつこ過ぎないことが大切ですね」。
こうしたやり取りを経て、お客様の望むものを提供できた時が、このお仕事をしていてうれしいと感じる瞬間だと秋谷さんは話します。また、混雑している場合には、目の前の相手と会話しながらも、他のお客様が困っていないか、店内のあちこちに目を配る配慮も必要とのこと。「急な団体客が来て慌ててしまうこともあります。動揺しないようにと思うとかえってパニックになるので、焦っていると自ら認めて対応することで落ち着きを取り戻せますね」。
働き始めてから1年が過ぎ、接客にもだいぶ慣れたという秋谷さん。今後は「オリジナルマトリョーシカの絵付けにも挑戦していきたい」と、新たな業務にも意欲的。彼女の作った商品が店頭に並ぶ日もそう遠くはなさそうです。
入荷した商品を陳列する
紅茶の説明を添えながら提供
ポイントを教わりながら絵付けの下書きに挑戦
しっかりと手に持って丁寧に磨く
外国からのお客様には度胸で対応
オーナー/パドスーシヌィー 夏実さん
娘の薫は頼りになるスタッフですね。雑貨の販売から喫茶コーナーのキッチン業務まで、いろいろなことに気が利くので、安心してお店を任せられます。当店は観光地という場所柄、外国人のお客様が来店することもあります。重要なのは語学力よりも度胸。話せなくても、身ぶり手ぶりで結構コミュニケーションは取れるものですよ。
ロシア・東欧雑貨直輸入店 チャイカ
ロシアの陶器や東欧の工芸品、紅茶などを扱う雑貨店として2014年にオープン。2020年には新ブランド「函館サモワール」を設立。キルギス共和国産の無添加非加熱生はちみつに、厳選した道産果物を加えた「フルーツはちみつ」を商品化。お土産として買い求める旅行者も多い。
北海道函館市元町7-7
TEL.0138-87-2098
https://www.chaika-shop.com/