世界で学んできたシェフの下で料理の基礎をしっかりと学ぶ【パエリア専門店 マルモンターニャ】
2023年12月4日公開
世界で活躍する料理人を目指し、経験豊富なシェフの下で料理の勉強に励む任堂さん。アルバイトという初めて体験する環境で一歩一歩夢に向かって多くのことを吸収していきます。
調理補助/任堂 空さん(18歳)
函館市出身。普通科の学校に通う現役高校3年生。「料理には愛を込めなさい」という祖母の教えを守りながら料理修業に取り組む。魚の下処理作業に自信あり。
料理への思いを伝え見習いとしてスタート
高校卒業後は料理人になる道へ進みたいと考える任堂さんは、パエリアの専門店「マルモンターニャ」で、生まれて初めてのアルバイトを始めました。「幼いころから料理好きな祖母と母の手伝いをしているうちに、自然と将来は料理人になるのが夢になっていました。調理師免許が取れるまでどこかのレストランで経験を積みたいと思っていた時に、母の友人からこの店を紹介されたんです」。
将来はイタリアで料理を学び、世界で活躍する料理人を目指す任堂さんにとって、スイスとスペインで料理の勉強をした後にシェフになったオーナーの存在はあこがれそのものでした。高校生のスタッフ募集は行われていませんでしたが、面会する機会を得て自分の将来の夢と思いを伝えて直談判。その熱意が通じ、見習いスタッフとして働くことになりました。
ノートに書き留めて学んだことを覚える
任堂さんが担当する業務は、キッチン内での作業がメインになります。開店時間の1時間前には厨房に入り、サラダ用の野菜や生ハムを切り分け、最近では前菜やデザートを盛り付けることもあります。「シェフからは『丁寧な仕事を心掛けなさい』と言われています。うまくできたと思っても、シェフが手直しすると何倍も良くなるんです。毎回分かりやすくアドバイスしてくれるのでとても勉強になります」。
業務中に教わったことは帰宅した後、シェフに勧められて始めた「料理ノート」に書き留めます。野菜を立体的に重ねるサラダ作りのポイントや食器の色に合わせた盛り付け方、食材選びなど、既にノートの半分はメモで埋まっているそう。自分が作ったサラダを見てお客様が喜んでくれる時もあり、うれしくて励みになりますが、まだまだうまくいかないことのほうが多いと言います。「家では小さな時から台所に立ち、時間のかかるものから手を付けるなど、自分なりに順序立ててやってきました。しかし、家庭とは違って店ではイメージ通りにいきません。効率良くやろうと思っても、同時に複数のお客様に料理を提供するのは難しいですね」。
飲食店のルールをしっかりと守る
調理道具や食器類を洗うのも任堂さんの仕事です。洗い物はため込まず、シェフがいつでもすぐに使えるようこまめに洗います。「パエリア用の鍋は米粒がこびり付くので、たわしで力を込めてしっかりと洗います。一方、食器には重ねていいものとそうでないものがあり、傷や欠けに注意を払いながら扱わなくてはなりません」。
また、厨房での作業は軽い切り傷ややけどを負うことも多く、慌てずに作業することが重要。調理台に刃物を置く時は通路側に刃が向かないように置きけがを防止します。その他にも、瓶詰めから食材を取り出す時には消毒したトングを使うなど衛生面での配慮も必要で、飲食店ならではの約束事があることを学んだと言います。
初めてずくめのアルバイトも2カ月が経ち、作業のスピードが上がったり、包丁の使い方が日に日に上手になっていくことに喜びを感じるという任堂さん。「これからも、シェフの技をすべて盗むつもりで学んでいきたいです」と、少し照れ臭そうに語る姿がまぶしいくらいに輝いて見えました。
盛り付けたサラダを確認してもらい手直しを受ける
スライサーで生ハムをカット
予約の人数に合わせてバゲットを用意
基本に自分の色を添え、料理の幅を広げていく
オーナーシェフ/塩田和裕さん
任堂君は真面目過ぎるくらい真面目なタイプの人間ですね。「才能は開花させるもの、センスは磨くもの」と言います。型にはまり過ぎてしまわないように、いろいろな世界を訪れて各地の料理を学び、そこに自分の色を乗せていけばおのずと彼の料理ができていくでしょう。厳しいこともあると思いますが、志を最後まで貫いて料理人としての幅を広げ続けてほしいですね。
パエリア専門店 マルモンターニャ
スペイン語で「海と山の幸」を意味する店名のとおり、北の大地の恩恵と四季を感じる食材が持つおいしさを提供するスペイン料理店。今年8月には現在の場所に移転し、新たに加わったプロジェクションマッピングを楽しめるメニューが大好評。
北海道函館市花園町21-18
TEL.0138-84-8551
https://www.marymontana.info/
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