オールマイティーな技術を身に付けて、多様なお客様の要望に応える【スピード商会 本通店】

通い詰めていたサイクルショップでスカウトされアルバイトスタッフとして働き始めた丸山さん。業務を通じて対応できるスキルが増えていく中、正社員に登用され、幅広い知識を習得する日々が始まりました。

技術者として長年会社勤めをしてきた丸山さんは、通勤時にすれ違う赤いマウンテンバイクを見る度に、自分もいつか乗ってみたいとあこがれていました。「自転車といえば、いわゆるママチャリしか乗ったことがなかったので、とにかく格好良く見えましたね。お金をためてようやく購入したマウンテンバイクは楽しくて、すっかり自転車の世界にのめり込みました」。

休日には、自転車を購入したスピード商会で知り合った仲間とツーリングに出掛け、平日も仕事帰りに店に立ち寄るなど、丸山さんの生活はまさに自転車一色に様変わり。そんな様子を見ていた当時のスピード商会のオーナーから、「スタッフを増員しようと思っているので、やる気があるなら働いてみないか」と声を掛けられました。「機械相手の仕事をしていたので、自転車を扱うことに抵抗はありませんでしたが、答えに迷いましたね。どんな業務があるのかも分からず、社長からは年齢的にきつい仕事かもしれないと前置きされたことも気になりました」。

自分に務まるか悩みましたが、どうせなら思い切ってチャレンジしてみようと決断。家族からも「やりたいことをやればいいでしょ」と応援され、オーナーからのオファーを受けることにしました。

サイクルショップでの業務は、お客様への配達からスタート。その後、配達シーズンも一段落ついたころ、「パンク修理をやってみないか」と、オーナーから提案されます。

パンク修理の経験はあったものの、技術的にはまだまだプロとは言えないレベル。それでも出勤の度に何台ものパンクを直すうちに、作業のスピードと正確さは格段にアップしていきました。その後、タイヤのチューブ交換やスピードメーターなど、アクセサリー類の取り付け作業も少しずつ手伝うようになり、気が付けば自転車を選ぶお客様にアドバイスをすることも。対応できる業務が増えていくにつれて、ますます仕事が楽しくなっていったそうです。

入社して3カ月ほどが経ち、基礎的な業務がこなせるようになった丸山さんは、新たなステップとしてギアや変速機など、メカニカルな部分の作業にも携わるようになります。ところが、ここで改めて覚えることが多い職場だと認識したそうです。「一口に自転車といっても、メーカーや車種によって部品や調整方法が異なります。最新の車種から、30年以上も大事に乗り続けられているものまで多様で、すべての自転車について覚えないと、しっかりとした整備ができません」。

中でも、スポーツタイプの自転車は技術の進歩が目まぐるしく、同じメーカーの自転車でもモデルチェンジを機に部品が変わることも珍しくはありません。「必然的にセッティングを覚え直す必要があります。大幅に仕様が変更されることもあって大変ですが、修理が終わり『ここに持ってきて良かった』と言ってくださるお客様の言葉を励みに頑張れますね」。

そんな丸山さんの目標は「自転車に何かあった時はやっぱりスピード商会だよね」と言ってもらえる接客を続けること。そのためにメーカー主催の講習を受けたり、年代を問わずできるだけ多くの自転車を触って経験を積むなど、お客様の喜ぶ声を励みに技術の習得に努めます。