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チャレンジ精神で醸造を続け、クラフトビールの魅力を発信する【Endeavour 函館湯川ブリュワリー】

2022年7月18日公開

私が選んだ職場

クラフトビール醸造の仕事に興味を持ち、醸造家としての道を歩み始めた下田さん。マニアックで知識豊富なお客様と情報交換を重ねながら、自分が100パーセント納得できるビール作りを目指します。

醸造責任者/下田泰崇さん(41歳)
函館市出身。研究を兼ねて、時には札幌まで足を伸ばしてクラフトビールを飲み歩くこともあるビール党。お勧めのビールは3種のホップを使い爽やかな苦味が特徴のウィートエール。

好奇心に後押しされて転職先を選択。

事務員として働いていた勤め先を退職し、求職中だった下田さんは、クラフトビール醸造所を併設するレストラン「Endeavour」で醸造とホール業務を兼任する求人広告を見つけました。「お酒を作る仕事って面白そうだなというのが第一印象でした。もちろん経験はありませんし、多少の不安も感じましたが、ビール好きとしての好奇心が勝りましたね」。

入社後は先輩の作業を手伝いながら醸造業務を学び、週に一日のペースでビールの仕込み作業に従事。醸造以外の勤務日には、レストランのホール係として働き始めました。過去に飲食店での勤務経験があったことから、ホール業務についてはすぐに対応できたという下田さん。一方、お客様と会話をする機会が豊富なお店で、ビールと料理の相性について聞かれるのもほぼ日常的なこと。メインとなるビールについても種類が多く、煙でいぶした麦芽を使用するラオホビールをはじめ、セゾン、IPA、ヴァイツェンなどさまざまなスタイルを取り揃えているので、それぞれのビールに合う料理を紹介できるように、スタッフ間で情報を共有。お客様からの質問に備えているそうです。

お客様の声を参考に新商品の開発にも挑戦。

お客様に占める「ビールマニア」の比率が高いのも当店の特徴の一つ。カウンター席を選ばれる方にはクラフトビール好きなお客様が多く、最新の情報からマニアックなビールの情報まで知識も豊富だと言います。「とにかく詳しいお客様が多いので、接客をしながら勉強をさせてもらっています。時には『こんなビールがあるの知ってる?』と現物をプレゼントされることもあって、新商品のヒントになることも多いです」。

もちろん、クラフトビールを初めて体験するお客様も来店されますので、苦味の強弱や、副原料にレモンやユリ根を使っていることなどを商品ごとに説明。味や香りをイメージしやすい情報を折り混ぜて、ビギナーでも選びやすく、気軽に楽しめる環境づくりを心掛けているそうです。「お客様の好みのビールを探すお手伝いをする感覚ですね。一杯目のオーダーを参考に、同じスタイルのビールや全く違うものをお勧めして、奥の深いクラフトビールの世界を楽しんでもらっています」。

商品であることを意識し、100点満点を目指す。

入社して間もなく4年。下田さんは現在、同店の醸造責任者として一人でビール造りを担当。教科書通りのスタンダードなクラフトビールから、地元産の野菜やフルーツを使用したビールや、海外で流行している最先端のビールにチャレンジ、日夜勉強中です。「自分好みのビールばかり造るわけにはいきません。商品ラインナップのバランスを考えながら仕込み、お客様の要望に応えていきたいです」。

そんな下田さんがビール造りにおいて常に気を付けているのが衛生面と鮮度。繊細な味わいが失われないように、洗浄を何よりも徹底しています。また、熱した麦汁を急速に冷まして酵母を添加する工程では、手早い作業で酸化を最小限に抑えて鮮度を維持するのだそう。「時間や温度によって仕上がりの味は大きく変わってきます。狙い通りに進んで思い描いた糖度の数値が出せた時にはうれしいですが、トータルな味という意味では満点ではありません」。まだまだ勉強すべきことはいっぱいありますと、自らの評価には辛口の下田さんです。

  • お客様とクラフトビールの情報交換

  • 歩行の妨げにならないように看板をセット

  • 洗浄後の水滴をしっかり拭き取る

  • 黄金比7対3の配分でビールを注ぐ

  • テーブルと椅子をアルコールで除菌

お客様の姿を確認して注ぎたてを提供。

料理長/八太 孝さん

下田さんは醸造とホールの中心的な役割を担う当店のエースです。私が調理場につきっきりでも、スタッフの中心となって上手にお店を切り盛りしてくれる頼れる存在です。当店の強みでもあるビールへのこだわりも強く、オーダーを受けても電話などで席を外していないかお客様の姿を確認してからグラスを準備。しっかりと泡をたたえた注ぎたてのビールを提供することをスタッフの間でも共有しているようです。

Endeavour(エンデバー) 函館湯川ブリュワリー

「自然と共に生きる」をコンセプトに2018年にオープン。併設された醸造所で作られたビールをはじめ、乙部町の天然水を100パーセント使用したクラフトビールが気軽に楽しめる。中華料理出身の料理長が作る20種を超える多様な料理目当ての常連客も多く、昨年末からは既存のメニューに加えニューヨークスタイルチャイニーズを展開する。

北海道函館市湯川町1丁目26-24
TEL.0138-84-6955
http://www.shop-endeavour.jp/