夫の夢をお手伝い。専業主婦から一変カフェのマネジャーへ【カフェ ウェイブ スノー】
2022年9月26日公開
夫から突然「カフェを始める」と宣言された岩本さん。選択の余地もないままにスタッフとして働くことになりますが、仕事を通じて培った経験を生かしお客様においしい料理と笑顔を提供します。
マネジャー/岩本綾子さん
東京都出身。大手旅行会社の勤務を経て函館へ移住。初めて会う人でも緊張せずにコミュニケーションを交わすのが得意で、親しい友人からは「接客こそ天職」と言われ続けている。
突然のカフェ経営で夫の夢をお手伝い
専業主婦だった岩本さんは、ある日ご主人から長年の夢だったカフェを始めることになったと打ち明けられました。「以前からカフェを経営したいと聞いてはいましたが、あこがれに近い夢の一つだと思っていたんです。聞けば翌月のオープンに向けての段取りも進んでいて、私にとっては降って湧いたような話でした」。
お店づくりが進む一方、従業員の手配についてはほとんど進展はなし。夫がやることならと見守っていましたが、次第に「自分が手伝わないとならないのでは?」と思い始めたそうです。オープンまで半月を切り、さすがに静観に徹することができなくなった岩本さんは、店員として手伝うことを提案。数日後、「マネジャー」の肩書きの入った名刺を渡されました。「きっと計画当初から当てにはされていたのだと思います。学生時代に派遣会社のアルバイトでいろいろなサービス業を経験していたので、業務への苦手意識はありませんでしたね」。
急展開で進む中、cafe wave snowの店員という新たな生活が始まりました。
日々の業務を通じて学びサービスを向上させる
岩本さんが担当するのは主にホールでの業務。「いらっしゃいませ」のあいさつから始まり、過去に経験した仕事を思い出しながら接客しているそうです。日々の業務の中で気付いたことはすぐに実践。オープン後間もなく始めた「お見送り」は、お客様からも好評とのこと。「当店ではオーダー時に会計を行います。その際に『ありがとうございました』と声を掛けていますが、お帰りの際にも感謝の気持ちを届けたいと思ったんです」。
お客様からは「おいしかったよ」「また来ます」とのお言葉をいただくこともあり、うれしさでやる気もグッとアップするとか。こうしたお客様とのやり取りこそが、接客の魅力だと言います。
一方、失敗から学ぶこともあります。「ドリンク類など背の高い食器はバランスが取りにくいので、無理をせず数回に分けて配膳を行うようにしています」と、スピードよりも丁寧さを重視。結果的には時間の短縮につながることが分かったそうです。
観光地のカフェとしてのサービスと商品を提供
旅行中のお客様が多いのも同店の特徴の一つ。旅行プランの相談を受けることも多く、中でも大人気の夜景についての質問が最も多いそうです。「夕暮れが始まる時間帯から眺めるのがお勧めですとか、雨降りでも、ふもとから山頂が見えれば夜景は見られることなど、ガイドマップでは紹介されないようなことをお話しすると喜ばれますね」。
また、趣味で若いころから英会話の勉強を続けてきた岩本さんは、コロナ禍以前のように、再び外国人旅行者が増えて、日ごろの勉強の成果を試せる機会が増えることを楽しみにしているそうです。
そんな彼女の今後の目標は、テイクアウトできるお菓子を作ること。「あの店のあのお菓子という名菓を誕生させたいですね。『お店には行ったことがないけど、お土産でもらったことがある』という人が世界中に広まったらなんてすてきでしょう」。そんなカフェに育てていきたいと、ご主人の夢のお店に自分の夢を重ねる岩本さんでした。
使用済みの席はすぐに片付け、忘れ物がないかもチェック
お客様の反応を伺いながらメニューを紹介
玄関口でお客様を見送る
旅行中のお客様に旅のお役立ち情報を提供
料理を運びながら素材などについて説明する
スタッフが楽しめる環境を整える
スタッフ自身が楽しんで仕事をするのが一番です。新メニューはみんなで情報を持ち寄って考え、発案者には新メニューの命名権を与えたり、自宅に持ち帰ってポップを作ってきてくれた人には好きなデザートをごちそうするなど、積極的に働きたくなる環境を作るのがマネジャーである私の仕事です。楽しそうな職場という雰囲気がお客様にも伝わるといいですね。
cafe wave snow(カフェ ウェイブ スノー)
教会として使われていた建物をリノベーションしたカフェ。看板メニューは季節のフルーツをふんだんに使ったパフェの上に、クレープ生地で包んだプリンを乗せた「プリンクレープパフェ」。
北海道函館市元町29-15
TEL.0138-76-8248