季節の料理を自分で考え採用されたメニューが喜ばれるとやりがいに!【ぶらり酒房 天武(てんむ)】
2022年11月14日公開
小学生のころから料理が好きで、調理師専門学校を卒業後は和食の店で修業を重ね、創作料理が魅力の居酒屋に転職した佐藤さん。考案した料理がお客様から喜ばれることを励みに、今後は若い世代にも親しまれる店にしたいと、味の工夫や空間づくりに力を注いでいます。
料理担当/佐藤 学さん(37歳)
帯広調理師専門学校卒業後、和食居酒屋等で修業し、6年前に「ぶらり酒房 天武」の料理人となる。
和食の技術を修業後、行きつけの店に転職。
小学生の時にテレビ番組の「料理の鉄人」を観て、料理人になりたいと思ったという佐藤さん。そのころ祖母の世話になることが多く、大好きな祖母においしいものを食べさせたいと思い、初めて作ったのが卵焼きでした。「『おいしい』と褒めてもらい、うれしくて料理好きになりました」と、当時を思い起こします。
中学・高校の部活動で野球に打ち込む一方、高校時代には飲食店やスーパーマーケットの惣菜コーナーでアルバイトを経験。「やっぱり料理が好き」と改めて感じて調理師専門学校へ進み、卒業後は和食居酒屋に就職しました。「最初はネギ1本の細切りも満足にできず、大根のかつらむきなど基本の仕込み作業をみっちりと鍛えられました」。そこでの指導は厳しかったと言いますが、和食の調理技術の基本を身に付けることができたと感謝しています。
その後、別の居酒屋で働いていた時に「ぶらり酒房 天武」と出合います。「午前3時まで営業していたので、仕事帰りに寄れる居酒屋でした。最初の和食居酒屋で尊敬していた先輩が働いていたこともあって、頻繁に通っていましたね」。そのうちに気さくな店長と意気投合し、「うちに来るかい」と誘われて6年前に転職しました。
素材本来の味を大切に炭火焼きをメインに担当。
「当店では、季節のお勧め料理に工夫を加えていて、いろいろと勉強になりました」と言い、厨房業務の中で料理の腕を磨いていきました。今は炭火焼きをメインに担当し、さまざまな素材を焼いています。「料理人は3人いて、分担して季節のメニューを考えています。試食の時にお互いに意見を言いやすいですし、自分で試したいことがある程度自由にできるので、楽しく働ける環境です」。
現在、佐藤さんがこだわっているのは「つくね」。「練り物全般が得意です。化学調味料を使わず、あくまでも素材本来のうまみを引き出すよう味付けを工夫しています」。時にはホール業務もこなす中で、自分の新メニューがお客様から「おいしい」と言われると、「一日頑張れますね」とうれしそうに話します。
また、当店はチームワークがとても良く、「一人がミスしたら、みんなでフォローします。以前、ホールスタッフが配膳時に料理の皿を落とした時、音を聞きつけて全員が集まり手早く片付けました」と佐藤さん。その様子が愉快に見えたのか、お客様には笑顔が広がったと言います。こうした絶妙な連携は、「お客様に楽しく過ごしてほしい」という全スタッフの願いから自然に生まれたものだそう。佐藤さん自身、プライベートで何かあっても仕事に持ち込まないことをモットーにしています。「スタッフの疲れているような様子を見たら、お客様も楽しめませんから」と、常に元気に声を掛け合い、全員で和気あいあいとした空間づくりを心掛けています。
若い世代に喜ばれる料理と演出を考えたい。
季節ごとの料理は他店と重ならないよう、毎日いろいろな店のインスタグラムを見たり、休みの日は道内を食べ歩いたり、創作メニューの研究に余念がありません。出来上がったメニューは、人気を集めればグランドメニューとして定着することも。「現在、グランドメニューは100種類以上。お客様にとって、次の来店時の楽しみにつながれば」と考えています。
小さいころから祖母の煮物などを食べていた影響なのか、佐藤さんの料理のベースは「和食」だそう。和食の調理の基本を守り、そこにアレンジを加えることでバリエーションを生み出しています。「これからは、若い世代のお客様が今以上に喜ぶような料理と、来店しやすいような演出方法を考えていきたい」と話す佐藤さん。いずれは独立して、自分の店を構えることを目標に、活気あふれる居酒屋で毎日楽しく働いています。
炭で焼く時に回転しないよう、食材の中心にバランスよく串打ち(串を刺す)をする。
佐藤さんは炭火焼きをメインに担当。火加減に注意し、道東一のおいしさを目指す。
サントリーが認定する「神泡超達人店」の認証店で、毎日ビールサーバーを洗浄しクリーミーな泡を提供する。
メニュー作りは自発性を重視。何でも話せる環境で働きやすい。
店長/稲葉 武さん(59歳)
「お客様においしいものを味わっていただきたい」という思いから、旬の素材を大事にした料理やおいしい地酒にこだわり、多くのお客様に親しまれているお店です。スタッフの自発性を重んじていて、料理は調理担当にある程度任せ、メニューを提案してもらっています。スタッフとは頻繁に話し、何でも話せる環境なので働きやすく、定着率はいいと思います。
ぶらり酒房 天武
産地直送の新鮮な食材と地酒にこだわり、十勝産の肉の炭火串焼きや創作料理が人気の居酒屋で、幅広い世代に親しまれている。厚岸産カキを豪快に缶で焼く「貝カキのバケツ焼き」が名物。
北海道帯広市西2条南9丁目 オリエンタルビル1F
TEL.0155‐26‐2767
シゴトガイドで配信中の
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