私が選んだ職場【栗林石油株式会社】

接客に苦手意識があった織本さん。車好きなことから選んだ二つの職場で成長し、資格取得にも積極的に挑戦しました。仕事を通じ、すっかり性格が前向きになった今では主任として指導にも目を配りながら、車の整備と接客に打ち込んでいます。

織本さんは専門学校卒業後、旅行代理店に就職し2年間働いていました。「人付き合いが苦手なので事務職で入社しましたが、営業も担当するように言われて辞めました。今思えば、自分自身の仕事に対する姿勢が後ろ向きだったと感じています」と振り返ります。
退職後、車好きだったことからガソリンスタンドでアルバイトを始め、そこでの店長との出会いが織本さんの仕事への意識を変えました。接客がうまくできないため、不安は大きかったという織本さん。しかし店長は、お客様への声掛けなど、何か一つのことをする度に褒めて、自信が付くよう導いてくれました。「お陰でやる気が高まり、接客を続けるうちに苦手意識がなくなりました」と感謝します。そして、水抜き剤やメンテナンスグッズなどの物販の売り上げで、社内で一番の成績を収めるまでに成長します。「試行錯誤を重ね、商品の知識と分かりやすい説明を身に付けて獲得した一番だったので、うれしかったですね」。この時のガソリンスタンドは既にありませんが、お世話になった当時の店長とは、今でも付き合いが続いているそうです。
27歳の時、前職の経験を生かし同社のサービスステーションでアルバイトスタッフとして働き始めます。同社を選んだのは、出身地の浦幌町にも店舗があるため、将来両親のいる地元に戻れるのではと考えたことも理由の一つでした。たまたま来店した専門学校時代の同級生は、笑顔で接客する織本さんを見て「別人かと思った」と驚いたそうです。「学生時代は誰かを誘ってワイワイと遊ぶほうではなくて、コンピューターゲームか一人での釣りが趣味でした。本当に性格が内向きで、同級生には全然違って見えたんでしょうね」と笑顔を見せます。

働き始めて2年後、真面目で丁寧な仕事ぶりが認められて正社員に登用されます。仕事を続けられたのは、職場の人間関係が良かった点も大きな要因でした。店長の人柄の良さもあり、スタッフ同士が密にコミュニケーションを取り、協力しながら仕事ができる社風があったと言います。「何か課題があれば気軽に発言ができ、ある程度個人に任せてくれるので、やりがいを感じることができましたね」。
仕事への姿勢が前向きに変わり、正社員になったことを機に、会社の補助を受けて自動車整備士3級、2級の免許を取得。2013年にはコーティング技術1級資格認定証も取りました。「資格を取ったことは、大きな自信につながりました。知識や技術が増え、よりお客様に頼っていただけるようになったと思います」。

正社員になって15年、車の汚れを丁寧に拭く様子からも、車に向ける愛情が感じられる織本さん。趣味もやはり車で、休日には愛車のメンテナンスやドライブを楽しんでいます。「車は10代から好きでしたが、その時はお金がなくて。今は稼いだお金で好きな車を買えるので、スポーツカーとSUV系の2台の車を所有して、目的に合わせて使い分けています」とうれしそうに話します。
今年4月、サンロード南店から異動してきたばかり。「前の店のお客様が自分を指名して来店されることもあって、ありがたいですね」と言います。いつも親身になって相談に応じ、丁寧に作業してきた織本さんのファンは多いようです。また、現在は主任として、スタッフの指導にも力を入れています。これからは電気自動車なども増えていくと予想され、ニーズに応えていくためには、さまざまな知識や技術が必要となることでしょう。「当店は北海道運輸局から認められた認証工場です。電気自動車に関しては専門スタッフもいますが、全スタッフがどんな車でも対応できるよう、常に勉強してスキルを身に付けたいと思っています」と、多くのお客様に信頼されるお店づくりに向けて、力強く目標を語ってくれました。