私が選んだ職場【HAIR CLUB MOCK 札内店】

技術を身に付けて、自分にしかできない特別な仕事がしたい。そう考えた長さんが選んだ職業は、理容師でした。資格取得までの勉強と、来店客への施術を任せてもらえるようになるまでの努力。そして見えてきた「いつか自分の店を持ちたい」という目標に向かって、常に練習を重ね、技術を高める姿がありました。

長さんが進路選択をするにあたり考えたこと。それは、生涯仕事に困らないよう手に職を付けて働くというものでした。「将来は何か特別なことがしたいと思っていて、それが自分にとっては技術を身に付けることだと考えていました」。技術職という選択肢の中から選んだ職業は理容師。そして理容師になるために、働きながら通信課程で理容師の国家資格の取得を目指します。十勝で多店舗展開をしていて知名度が高い（株）MOCKを志望し、18歳の時にパートスタッフとして採用された長さん。昼間課程より1年長い3年間をかけて国家試験の受験資格を得るために学びました。「掃除や備品の補充などのサポート業務を行いながら、先輩たちの技術や来店客とのコミュニケーションの取り方を間近に見られることが勉強になりました」。勤務を終えてからはテキストを用いた勉強や、技術の課題に取り組む毎日。それに加え、2週間程札幌へ行き、集中的に学ぶカリキュラムも年2回設けられています。「実技の勉強をする時などは職場を使わせてもらっていましたが、帰る時間が24時を過ぎてしまうことが何度もありました」と、理容師の夢に向かって勉強を続けていた当時を振り返ります。そして3年後、国家資格である理容師免許を取得し、アシスタントとして正社員になりました。

理容師免許を手にしたといっても、当社で定める水準をクリアするまでは理容師として施術をすることはできません。長さんの技術を磨くためのトレーニングは続きました。時には営業時間後に友人を呼んでカットモデルの協力をしてもらい、練習をする事もあったそう。「慣れないころは友人のカットに2時間以上かかってしまうこともありました。でも協力してくれた人たちのお陰で、去年の夏からお客様のカットを任せてもらえるようになりました」と長さん。　当店は予約制ではないため、思い立ったら気軽に足を運べることが魅力の一つ。次々と訪れる来店客の要望に合わせて、カット、顔そり、シャンプー、ヘッドスパなどの施術を丁寧かつスピーディーに行っていきます。「常連のお客様も多く、時には隣の席で施術をしている先輩やお客様を交えてコミュニケーションを取ることもあり、明るい雰囲気で楽しく仕事をさせてもらっています」と話します。そんな長さんが得意とする施術はシャンプーやヘッドスパ。「ヘッドスパは20分ぐらいかけて行います。お客様が『気持ち良かった』と声を掛けてくださると、うれしいですし、励みになります」。手荒れに悩まされる時期もありましたが、技術を身に付け、その腕を更に高めていくために経験を積む毎日です。

当社は十勝で4店舗を展開する理容室を持つほか、独立を目指すスタッフのステージをシェアサロンという形で提供しています。「今の理容業界は成り手が少なく、今年行われた国家試験の合格者は全国で約1400人。道東では2人しかいませんでした」と教えてくれたのは代表の森田晃平さん。その人材が将来にわたり地域で理容師として活躍するためには、技術とサービス面に加え、経営面の観点からの教育が必要と考え、ノウハウを惜しみなく伝えています。長さんが思い描く将来の姿もまた、独立してお店を持つことです。「まだまだ自分はこれからですが、ここを離れて独立した先輩たちのように、いつかは自分のお店を持つために頑張っていきたいです」と話します。技術を身に付けた先にある独立という目標。自分のお店を持ち、腕一つで誰かを喜ばせることのできる特別な存在を目指して、これからも経験を積み、技術を高めることに余念がありません。