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左官業の新時代開拓に向け情熱的に取り組む【石川左官工業株式会社】

2024年4月8日公開

気になる職場

コテを巧みに使って外壁などに漆喰(しっくい)やモルタルを塗る左官業。一般的になじみが薄れつつあるこの仕事の魅力を積極的に発信する「石川左官工業株式会社」を訪ね、次代に向けた展開や働き方について話を伺いました。

SNSを活用し仕事の魅力を広く発信。

左官業は、土やコンクリート、セメント、モルタル等の素材を塗って壁や床の下地を整えたり、珪藻土(けいそうど)や漆喰(しっくい)で表面の最終仕上げを担うのが主な仕事です。ビルやマンション、商業施設のエントランスなどで、コテによる技で装飾を施された壁面を見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。

石川左官工業株式会社は、そんな左官の業務一筋に100年以上の歴史をつないできた老舗です。「現在の社名になったのは1968年ですが、それ以前に曽祖父がこの仕事を始め、私で4代目になります」と話すのは、専務取締役の石川竜大さん。左官業の魅力は「形のないものを形にして表現する面白さにある」と言い、オーナーに奇麗な仕上げを届けることをモットーに、入社10年目の若い力で会社をけん引しています。その最たる取り組みが、YouTubeやインスタグラムなどのSNSを駆使した情報発信です。「なり手不足の今、若い人たちに左官の仕事と言ってもなかなかピンとくる人はいません。見て分かる動画を通して左官の魅力を伝えていきたい」と、3年半ほど前から職人たちの作業風景を動画に収めYouTubeにアップしています。その成果もあってか、この4月から10代の女性を含む2人の新入社員が働き始めました。時代に応じた柔軟な取り組みが光ります。

新人女性を職人に採用。男性と異なる感性に期待。

新人スタッフは入社後、現場での実作業に加え、2年間左官組合の学校に通い基礎的な技術を身に付けてもらうと言います。4月に3日間、5〜12月は月1回、1〜3月はすべての平日を使って学校でのトレーニングを実施。修了時の技能照査に合格すると左官技能士3級と同等の資格が得られ、同年夏には2級試験を学科免除で受験できるそうです。合格すればその3年後に1級試験が受けられるため、最短5年で一人前とされるレベルに到達可能と言えます。ただ、「1級を取っただけではまだ現場を1人で任せられるほどではなく、ようやくスタートラインに立った程度です」とのこと。更に上位の資格である「登録左官基幹技能者」は10年以上の実務経験と3年以上の職長経験が必要で、当社では1名だけが所持する難関資格のようです。

新人教育で心掛けているのは、若いスタッフを孤立させないことだと言います。年配の人とマンツーマンだと話も合わず、萎縮してストレスを感じてしまうため、なるべく同世代をそばに置いて、何でも話を聞けるような環境を整えています。新たに入った女性スタッフについては「これからの時代、細やかな気配りや男性にないセンスなどを生かせる場が増えるのでは」と期待を寄せ、指導にも熱が入ります。

新素材や新技術に挑戦。北海道のパイオニアを目指す。

SNSの取り組みで広がったのは新入社員獲得のチャンスだけではありません。「こんな技術があることを知らなかった。ぜひ物件に取り入れてみたい」というエンドユーザーからの相談も来るようになったと言います。また、北海道内だけでなく全国の同業者と横のつながりができたことも大きな進歩でした。「左官の歴史が古く通年作業が行える本州には、北海道にいるとなかなか身に付けられない技術が多いです。SNSのお陰で連絡が取りやすくなり、道内ではまだ浸透していない素材や技術を学べる環境になりました」。そんな中、現在目を付けているのがモールテックスという素材です。2、3ミリの厚みで防水性・強度を出すことができ、カラーバリエーションも豊富でデザイン性に優れています。こうした特徴から、床や壁だけではなくキッチン、浴室、洗面台、テーブルなど多様な場所に施工でき、商業施設に高い人気を誇ると言います。「冬期間は公共事業が休止になるため、北海道の左官業者は本州に出稼ぎに行く場合がほとんどでした。しかし、内装に使える素材が増えてきたので、ここに力を入れて冬の働き方を変えていきたいですね」。伝統にあぐらをかかず挑戦を続ける先に、新しい左官業の形が生まれそうです。

  • 動画の編集やアップ作業は専務が自ら行っている

  • 床を研磨するポリッシャーがけ作業

  • 土間コンクリート仕上げの様子(パワートロウェル+フレスノ仕上げ)

  • 2mほどの木製の定規を当てて下地をならしていく「定規摺り」

  • コテで厚さを均一にする様はまさに匠の技

社長の石川雅久さんに聞く3つの質問!

Q.企業理念は?
A.「形のないものを形に」という思いの下、社会貢献、技術の継承を理念として事業に取り組んでいます。
Q.時代が変わったと感じることは?
A.技術を身に付けたらすぐ独立する人が増えてきました。そういう時代だと考えるしかないですね。
Q.これからの世代に期待することは?
A.伝統ある左官技術と最先端技術の融合に期待しています。

石川左官工業株式会社

1968年設立。一般住宅や商業施設の壁や床の仕上げなど左官業務を請け負う。多くの技術者を輩出し、外部のネットワークも広げている。

北海道旭川市北門町13丁目
TEL.0166‐51‐6261
YouTube:@plaster-ishikawa

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